人間

南アルプスの麓
甲斐犬が発祥の地で体験した日々。
人里から離れた小さな町で大きな壮大な山と川の大自然の中で都会からやって来た甲斐犬達。何代も眠ってしまった猟能を目覚めさせる為にしたことは、
毎朝、日の出前に河原へ行き4頭同時に鹿の群れへ離す事。最初はバラバラで鹿にも気付かないくらい六感が鈍っていてどうしようもなかった。
考えた末、車から先に鹿の群れに飛び出したのは主人、鹿の群れへ向かって走り出し賢明な走りを見せるとその後に離された4頭は鹿に向かって追い掛けて行く。私はパノラマで傍観していると主人が犬と共に鹿を追い掛け手が届きそうな様子は古来から犬が人間を求めたように人間もまた切り離せない大きな絆で狩りを共同させた原点が・・・1人ニヤけていました。川を渡っていく鹿を今まで見た事のない動きで川を泳ぎ渡っていく犬達に、正直驚いて(やったぁ)と喜んだものです。
その日を堺に猟能を開花させたのは3才の時です。
環境の大事さを学び飼い主以上を求めないこの犬種の賢さを学びました。大胆な事を見せ付けてやらないとその気にならない。
犬社会、リーダーの入れ替わりは突然訪れるし呆気ないものです。
群れのリーダーは勇ましく偉大なもの。その後2代目になる甲斐犬達には産まれた時から最高の環境下で育ち群れの役割を学び判断力を養う、序列が形成されリーダーは絶対的な力を手に入れる。
テリトリーで調子に乗って威嚇し吠える犬は
出鼻をくじかれリーダー犬は敵陣に乗り込んで相手のテリトリー内で戦意喪失させてしまう。
普通ならどちらも引かず血みどろの喧嘩になりかねないのでこちらが慌ててしまう所をその強さは周囲を黙らせ皆避けて歩く。
ここまでの差があると逆に見ていて頼もしく逞しいです。
そんなリーダー犬も飼い主である私達には従順であり狩猟犬として勇ましさ精悍さそして忠実心と純粋さに溢れています。
実際に実践してみた視点で話します。
狩りの構成は7~8頭の場合、5~6頭の場合、3~4頭の場合、狼の如く個々の役割を持ち群れのリーダー犬の指示の元行動する。そして1~2頭の単独の場合ではまた少し変わってきます。
甲斐犬の群れではリーダー犬は指示を出して狩らせたあとは1番最初にリーダー犬が獲物を食する。
甲斐犬を7~8頭離して巻狩りをすると書物でも読みますが数えきれない頭数の獲物を落とすには良い方法だと思いましたが、群れでは1頭を狩るのがほとんどなのでセルフハンティングになってしまい、リアリティーにかける様な気もしました。
甲斐犬3兄弟の話はよくしますが、この3頭はちょうど良い連携行動を取り、上手な狩りをしますが、その中のリーダー犬が1頭欠けただけで全く狩りにならなかった事があります。野生での過酷さを考えさせられました。
そこから主人は、人間がリーダーとなり犬任せではなく甲斐犬と共同作業をする事が大事な事だと学び、主人の技量に応えるように甲斐犬も主人を頼って狩りをする様になりました。リーダー犬の役目を人間がどれだけの駆け引きをしながら行えるのか、リーダー犬の役割は頭脳戦だったんだと思います。
それが野生味を感じさせる狩猟甲斐犬の魅力でもあります。
目にしてきた事は昔も今も変わっていないはず、甲斐犬が野生に近い特質を持って存在しているのだったら、そこに人間が還ればよいのでは・・・難しい

髙竜犬舎

甲斐犬狩猟犬としての原始的な姿を保存する目的の甲斐犬専門犬舎です。

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