動物の生命力

正虎と蝶々の1月21日生まれの子犬牡カイと牝シーの2頭子です。

甲斐犬は基本的には野生に近い犬種なので自然分娩でとても楽なのですが、それでも初産の子は不安です。蝶々は初産だったので出産予定日と満潮や天気の悪い低気圧の日などを頭に入れながら様子を見ていました。21日朝犬舎へ行き今日辺りかなと思いながら夕方また様子を見ることに。
夕方見に行くと産室で2頭の子犬が生まれていました。
1頭は母犬の腕の中、もう1頭は母犬の横に横たわって冷たくなっていました。それがカイです。
まだ柔らかく舌も固まっていません。
すぐさま掌でさすり指で心臓マッサージしカイの鼻から人工呼吸2回、すると口の中から羊水がドバーっと吐き出されました。
同じ事を3回程繰り返し羊水が全部吐き出されたあと呼吸が戻って来ました。
仮死状態だったのだと思います。すぐさま蝶々とカイとシーを自宅に連れて帰り、体温が下がっていたので、42℃に調整した洗面器お風呂を用意していきなり熱いお湯の中には入れずガーゼを用意してお湯に浸したガーゼをカイの体にかけて足から少しずつお湯に入れながら手でガーゼにお湯を掛けながら全身浸からせます。
カイの体はだいぶ体温が下がっていた為、足し湯しながらお湯を42℃に保ち体の芯まで温まるようにしてやると、産声を出し手足を動かし始め、みるみるうちに元気な鳴き声をあげて生気を取り戻しました。
よーく体を拭いて乾いてから蝶々のそばに連れていくと蝶々も心配そうに体を舐めて腕の中で温めていました。初乳も飲めて一安心です。
今では元気いっぱいで動物の生命力の強さに感服しました。
自然界では自然沙汰と言う事になってしまう命です。人間の手が加わり助かった命。何か矛盾を感じるかもしれませんが、私は助かる命と助けられない命があると思うので、私達の中の最善は尽くしたいと思っています。

元気なカイ
カイとシー

髙竜犬舎

甲斐犬狩猟犬としての原始的な姿を保存する目的の甲斐犬専門犬舎です。

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